【家系図】中村吉右衛門と兄・松本幸四郎との確執問題とは？後継者は誰になるか調査！

2021年11月28日に心不全でお亡くなりになられた中村吉右衛門さん。

歌舞伎一家に生まれた中村吉右衛門さんでしたが、母方の祖父の養子となっています。

歌舞伎一家ということや養子となっていることから家系図が気になりますね。

そこで今回は、

という内容でお届けいたします。

中村吉右衛門

人間国宝の歌舞伎役者、二代目・中村吉右衛門さん。

「勧進帳」や「義経千本桜」などでの武蔵坊弁慶役を得意とされる一方で、時代劇「鬼平犯科帳」では、主人公長谷川平蔵役を演じ、お茶の間の人気者になられました。

しかし、2021年11月28日、心不全のためこの世を去った中村吉右衛門さん。

中村吉右衛門さんは歌舞伎一家に生まれ、歌舞伎界で「薩摩屋」という大名代を背負っている方ですが、跡取りがいません。

亡くなられた現在、薩摩屋はどうなるのか、家系図から調査してみました。

【家系図】中村吉右衛門と兄・松本幸四郎との確執問題とは？

確執の理由

中村吉右衛門さんは、八代目松本幸四郎さんの次男として生まれましたが、母方の祖父である初代中村吉右衛門さんの養子となっています。

母方の父である初代中村吉衛門さんには後継がいませんでした。

薩摩屋という大名代を絶やすわけにはいかなかったので、娘である正子(中村吉右衛門さんの母)さんに婿養子を取ろうと考えており、嫁に行くことを許さなかったそうです。

しかし、高麗屋の初代・松本白鸚さんの元へ嫁に行くことに。

そのため、正子さんは「男子を二人は産んで、そのうちの一人に吉右衛門の名を継がせます」と約束をしたそうです。

男の子が二人産まれ、次男として生まれた中村吉右衛門さんは、４歳の頃に約束通り祖父である初代中村吉衛門さんの養子となっています。

そんな幼い年齢で母親と引き離され、違う環境で育った生い立ちが原因で、兄との間に確執が生まれたといわれています。

また、吉右衛門と幸四郎の間にも根深い“因縁”がある。
吉右衛門と幸四郎は実の兄弟なのだが、めったに一緒の舞台には立たないというほど、不仲なのだ。中村家の知人が話す。
「兄弟が不仲になったのは、母親の家の問題が関係しています。初代吉右衛門の一人娘だった母親は、松本家に嫁ぎ、そこで生まれた息子を後継者として中村家に養子に出さなければならなかったんです。それで次男である吉右衛門さんが養子に出されて、厳しい環境の中で育てられました。一方で幸四郎さんは天才と周りからもてはやされて育てられました。そんな生い立ちの違いがふたりの不仲を生んだといわれています」

引用：NEWSポストセブン

しかし、中村吉右衛門さんが亡くなられた時には、兄である松本白鸚さんは病院に駆けつけているようでした。

そして、

と発言されています。

兄・松本白鸚さんのコメント：「今とても悲しいです。たった1人の弟ですから。幼い頃、波野の家に養子となり、祖父の芸を一生かけて成し遂げました。病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。播磨屋の祖父そっくりでした」

引用：テレ朝NEWS

不仲説が囁かれていましたが、やはり兄弟中は健在だったようですね。

【家系図】中村吉右衛門の後継者は誰になるか調査！

結論から申し上げますと、

ようです。

吉右衛門さんには息子がおらず、大名跡「中村吉右衛門」の跡継ぎも現時点では見通しが立っていない。今後長く空位となる可能性もある。

引用：スポニチ

家系図からも見て分かるように、中村吉右衛門さんの子供は娘が４人。

息子がおらず、後継ぎがいないことが気にされていました。

先代の父親と同じく、後継者に悩まされていた中村吉右衛門さん。

ご自身が養子で苦労したことを身をもって知っていたため、養子を取ることにも気が進まず、後継問題が先送りになっていたと言います。

しかし、まだ後継者は決まっていないと言えど、候補に挙がっている人物が２人いるのだそう。

1人ずつ見ていきたいと思います。

後継者候補①七代目・尾上丑之助の丑之助くん

2013年2月、中村吉右衛門の四女である瓔子さんが尾上菊之助さん結婚されました。

菊之助さんの音羽屋は七代目・尾上菊五郎さんを当主に構える歌舞伎の名門。

大名跡同士の婚姻は梨園を当時騒がせましたね。

そして、同年11月に、七代目・尾上丑之助を襲名する丑之助くんが誕生。

生前、中村吉右衛門さんは、孫の丑之助くんをかなり溺愛して可愛がっていたそうです。

「孫が生まれて菊五郎さん以上に喜んでいたのが、実は吉右衛門さん。何度も銀座の高級寿司店や、フレンチ料理店に連れていってあげてますからね。丑之助くんには、自身を“じいじ”と呼ばせて芸の指導も優しく行っているそうです」（播磨屋に近しい人）

引用：週刊女性PRIME

孫にでれでれになるくらい可愛い様子が見て取れますよね。

孫にデレデレな人間国宝に癒される…#中村吉右衛門 #尾上丑之助 #コロナばっかりで気が滅入るから可愛い画像貼ろうぜ pic.twitter.com/qSfHMurcXB

— Kiyo　#24 (@Kiyo_24) February 29, 2020

というのも、中村吉右衛門さんは自分の後継者に孫の丑之助くんを継がせたいという考えがあったからこそ。

中村吉右衛門さんは、後継者をなかば諦めかけていたようですが、やはり自分と同じように血縁者に継がせたいという思いは胸に秘め続けていたんですね。

丑之助くんを可愛がるのも無理はありません。

しかし、丑之助くんは音羽屋・尾上家の長男。

ゆくゆくは菊之助、菊五郎の名前を襲名して音羽屋を継ぐことは避けられません。

そのため丑之助くんを養子に出したりして播磨屋を継がせることはないと考えると、中村吉右衛門さんの後継者になる可能性は極めて低いと思われます。

後継者候補②寺嶋眞秀くん

候補としてよく名前が挙がっているのは、寺島しのぶさんの息子である寺嶋眞秀くんです。

吉右衛門さんと血はつながっていませんが、菊五郎の孫なだけあってセンスは抜群。

歌舞伎の指導も受けており将来が楽しみな役者の1人です。

しかし彼は兄弟がいませんし、吉右衛門さんと血縁者ではありません。

養子に出されたりすることはないと考えると、眞秀くんが後継者となる可能性も低いかもしれませんね。

後継者がいない場合は？

中村吉右衛門さんの後継者として一番丸く収まるのは、

だと言われています。

万が一、男の子が産まれなかった場合は、

が継承するため、播磨屋が途絶えてしまうことはないようです。

しかし名跡というのは、本質的に受け継いだ芸を守ったり発展させていくことが大事だと思いますので、中村吉右衛門さんは血縁者に継承できないことがお辛いでしょうね。